2013年12月13日

とぶ そして

「通じ過ぎて困るくれえだ。珈琲だってやがらあ」 ……貴方はそうした妾の心がおわかりになったのでございましょう。 しかし、世間にありふれた、平凡な実例ではありますが小生を今日のような不幸のドン底に陥れたものは他でもありませぬ。この時の身分不相応な幸福そのものだったのであります。すなわち小生は自分の成功に気が緩むと共に、又も、生れ付きの飲酒癖に囚われるようになりまして、明け暮れロ市内の酒場に流連いつづけし、家事は悉ことごとく妻に一任して顧みないようになりました。

 と云い棄て、私は青ペンキ塗ぬりの門の中へ這入った。



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Posted by ljpimfev at 11:28 │日記